快適な宿泊空間の裏には、スタッフたちの丁寧な仕事があります。けれども、その努力が宿泊者の思わぬ行動によって振り回されてしまうことも少なくないようです。そんなホテル現場の「リアル」を描いたTikTok動画が注目を集めています。投稿したのは、大阪市浪速区にある、ホテルリリーフなんば大国町の公式アカウント(@hotelreliefnamba)。スタッフの実体験をもとにした3つのエピソードを再現ドラマ風に紹介しており、「あるあるすぎる」といった共感の声が寄せられています。
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備品の持ち帰り、忘れ物、時間オーバー…現場の本音
動画では、「ホテルスタッフが経験 実際にあった最悪エピソード3選」と題して、宿泊客の困った行動を3つ取り上げています。演じているのは女性スタッフ。リアルな表情やしぐさを交えて再現しました。
「1.ルームウエアが盗まれる」
清掃時、備え付けのルームウエアが消えていることに気づいたスタッフ。ベッドの布団をめくり、バスルームの中まで探し回りますが、結局見つかりません。多くのホテルで、ルームウエアやバスタオルといった備品の持ち帰りはNGになっています。再利用する前提で用意されているものなので、無断で持ち帰られると困ってしまいます。
「2.スーツケースを忘れている」
チェックアウト後の部屋に、ぽつんと置き去りにされたスーツケースを発見したスタッフ。驚きつつ「またやー」と顔をゆがめ、フロントに連絡します。動画では、「置く場所あったっけ?」と保管場所に困る様子も描かれており、忘れ物が多いとバックヤードのスペースが足りなくなるという裏事情も垣間見えます。
「3.チェックアウトの時間に出てこない」
時間を過ぎても部屋から出てこない宿泊者に、ドア越しに声をかけるスタッフ。何時頃に出られるか丁寧に尋ねると、「急かさないでくれる? 気悪いわ」と返されてしまいます。スタッフは「フロントでお待ちしております」と引き下がるものの、どこか苦い表情。チェックアウト後は、すぐに清掃や次の準備に入るため、時間を過ぎるとスケジュールが大きく乱れ、スタッフさんも調整が大変そうです。
信じられないような実体験に、コメント欄には、「ルームウエアは重いのになぜ盗む!?」「チェックアウトに遅れたら罰金じゃないですか」といった驚きの声が。
また、「清掃をしていたけれど数分ならまだ許せる、時間との勝負で上から煽られているから10分以上過ぎていると許せないし、迷惑客でしかない」「スマートフォンがユニットバスに残っていた あとは財布がデスクにあったなぁ」「プラス30分以内には出てほしいと思っている」など、ホテル勤務経験者からの切実な意見も寄せられています。
宿泊施設の快適な環境は、スタッフの見えない努力と、宿泊者のちょっとした配慮で成り立っています。楽しい旅の思い出がトラブルに変わらないように、マナーとルールを意識しながら過ごしたいものです。