今注目の「屋根のない博物館」。韓国の歴史を体感できる慶州を巡る旅

慶尚北道(キョンサンプクド)は韓国の東南部に位置し山や海、平原に囲まれた自然豊かな地域。1000年の歴史を有する新羅の仏教文化や古代伽耶(かや)王国の文化が栄えた場所だ。その中の慶州(キョンジュ)市は南東に位置し、「屋根のない博物館」、「1000年都市」と言われるなどタイトルを多く持ち韓国の魂が宿っている。まるでタイムトラベルができるような街で、若い人たちにも人気だ。2025年の11月に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の開催地として選ばれ、古都として知られている。今、世界が注目する慶州市では一体どんな旅ができるのだろうか。見どころをご紹介。(取材協力:韓国観光公社)

まず訪れたい仏国寺

慶州市を代表するのが、1995年12月6日にユネスコ世界文化遺産に登録され、世界的にも有名な国宝・石窟庵(ソックラム)と仏国寺(プルグクサ)。

仏国寺は新羅人が地上に描いた理想郷を形象化したものと言われている。34段の階段、上は16段の青雲橋、下は18段の白雲橋で構成されている。青雲橋を青い青年の姿に、白雲橋を白髪の老人の姿になぞらえて人生を象徴している。修学旅行で訪れる学生も多く、韓国の重要な遺産であることがわかる。

思わずシャッターを切りたくなるスポット。観音殿へ上っていくとランタンがお出迎え

境内には多くのカラフルな提灯が訪れる人の足を止める。お釈迦様の誕生にあわせて吊(つ)るされ、多くの人の願いが刻まれ風に揺られていた。

釈迦誕生日(旧暦4月8日)に向けて、色とりどりのランタンが創る独特な世界観に浸ることができる

info

住所:キョンサンプクドキョンジュ市 プルグクロ385

ホームページ: http://www.bulguksa.or.kr

営業時間:9:00~18:00(退場時間19:00)

お問い合わせ:+82-54-746-9913

利用料金:無料

https://japanese.visitkorea.or.kr/svc/contents/contentsView.do?vcontsId=110951

新羅の魂が宿る石窟庵

仏国寺から東の方へ山道を約3kmほど(迂回路の一般道・仏国路経理だと約9km)歩いていくと、姿を現すのが石窟庵。

山の中腹に建てられ、木々に囲まれた石窟庵

石窟庵の石窟(せっくつ)は白色の花崗岩(かこうがん)を利用し、新羅の人々の魂が宿るといわれている霊山である吐含山(トハムサン)の中腹に新羅・景徳王10(751)年に建てられた。その中には釈迦如来像や菩薩(ぼさつ)像などの仏像が彫刻されている。

仏教徒は読経しながら人間の煩悩の数にならって108回、立って合唱、座り込んで土下座という動作を繰り返す「108拝」を行う。

写真撮影はNG。そんな神聖な場所だからこそ、ぜひ訪れてその厳粛さをその場で味わってみてほしい。

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住所:キョンサンプクドキョンジュ市 ソックルロ238

ホームページ: http://seokguram.org/

営業時間:9:00~18:00(退場時間19:00)※季節によって変更されることがあります

お問い合わせ: +82-54-746-9933

利用料金:無料

https://japanese.visitkorea.or.kr/svc/contents/contentsView.do?vcontsId=110934

味もボリュームも大満足! ユッケビビンバ

鮮やかな具材が見ていても楽しいユッケビビンバ

韓国絶品グルメ30選のユッケビビンバ。慶尚北道は韓牛(ハヌ)の産地。新鮮な生の韓牛にごま油や色とりどりの野菜がトッピングされている。シルバーの器に入ったごはんを入れて、具材とよくかき混ぜて食べる。味もボリュームも満足度が高い一品。

慶州でユッケビビンバを食べるなら、「ポムントゥル」は旅のリスト入り必須の名店。

テラス付きポムントゥルの外観

info

住所:キョンサンプクドキョンジュ市 キョンガムロ142-3 「ポムントゥル」

営業時間:10:30~15:30/17:00~20:30

季節ごとの絶景を楽しめる大陵苑

韓国絶景30選のひとつである大陵苑(テルンウォン)は、23基の古墳が集まる美しい史跡公園。

フォトゾーンとして知られる「大陵苑モクレン」(韓国観光公社フォトギャラリー - PHOTO KOREA)

せっかくの韓国の絶景へ向かう前に、大陵苑の入り口近くにある韓服(ハンボク)レンタルショップで、お気に入りの一着に着替えて写真撮影も楽しんだ。

ずらっと並ぶカラフルな韓服を前に、つい胸が躍る。お店のオーナーが親切に似合う韓服をすすめてくれる。男性用も女性用も準備されているので、友達と行ってもパートナーと行っても楽しめる。

桜の季節にあわせてピンクと紫の韓服をセレクト

旅の仲間と色やモチーフをそろえてみても楽しい。韓国ドラマや映画に登場する主人公の気分になったところで、公園内を散策。様々な規模の古墳を左右に見ながら歩いていくと現れる「天馬塚(チョンマチョン)」は、唯一内部を公開しており見学することができる。

天馬塚は大人3,000ウォンで入場可能

5世紀末から6世紀初めに造られたと推定されるこの古墳は、1973年に発掘調査が行われ金冠をはじめ数多くの遺物が出土し、新羅の歴史を目にすることができる。

(韓国観光公社フォトギャラリー - PHOTO KOREA)

出土品の多くは、埋葬された人が身につけた状態で発見されたそうだ。装飾品を一目見ようと、海外から多くの観光客が押し寄せていた。

info

住所:キョンサンプクドキョンジュ市 キェリムロ9(大陵苑チケット売り場)

ホームページ: http://www.gyeongju.go.kr/tour

営業時間:9:00~21:30

お問い合わせ:+82-54-750-8650

利用料金:大人3,000ウォン

https://japanese.visitkorea.or.kr/svc/contents/contentsView.d o?vcontsId=111915

旅の仲間と「キョドンサムパプ」で韓定食を

大陵苑から近い「キョドンサムパプ」

韓定食を求めて、「キョドンサムパプ」へ。写真に納まりきらない数のおかず。牛肉のプルコギと、春雨のようなチャプチェ、キムチなどテーブルいっぱいにおかずが並ぶ韓定食。野菜で肉やごはんを包んで食べるとおいしいと地元の人に教えてもらった。

どのおかずのコンビネーションが美味しいだろうかと、色々考えながら、旅の仲間と大皿を囲む食事は旅の醍醐味。韓国の料理は出来上がって出されたものをただ食べるだけではなく、混ぜたり、包んだり、自分の好みで食を楽しむことができ、毎回新しい発見がある。

info

住所:キョンサンプクドキョンジュ市 チョムソンロ77

営業時間:11:00~21:00(16:00~17:00はブレイクタイム)

美しい夜景の東宮と月池

幻想的な雰囲気を醸し出す夜の東宮と月池

新羅時代、王宮の別宮があった東宮と月池。国の慶事や宴会が開かれた場所で、迎賓館の役目を果たしていたという。新羅が三国を統一した後、海を現すような大きな池が造られた。池の真ん中に3つの島と池の北東に12の峰の山がある。ライトアップされた夜は、思わず息をのむほどの美しさ。池の周りを歩きながら、様々な角度から東宮の美しさを楽しんで。

info

住所:キョンサンプクドキョンジュ市 ウォンファロ102

営業時間:9:00~22:00(最終チケット販売・入場21:30)※観光客が定員を超えると、入園できないことがあります

お問い合わせ:+82-54-750-8650

利用料金:大人 3,000ウォン

https://japanese.visitkorea.or.kr/svc/contents/contentsView.do?vcontsId=109151

月精橋で夜景を独り占め

月精橋(ウォルチョンギョ)は、統一新羅時代に架けられた橋が、2018年4月、韓国国内最大級の木造橋として復元された。

正面から見た月精橋。散歩がてら橋を渡ってみるのも気持ちがいい 存在感のある月精橋(韓国観光公社フォトギャラリー - PHOTO KOREA)

橋が架かった川の岸は散歩ができるようになっている。優雅に泳ぐ水鳥を眺めていると、時間が過ぎゆくのを忘れてしまう。ライトアップによって川面に反射した橋の美しさは別格。地方都市だからこそゆったりと、そして独り占めできるこの夜景だ。

info

住所:キョンサンプクドキョンジュ市 キョドン274

ホームページ: http://www.gyeongju.go.kr/tour

営業時間:9:00~22:00

お問い合わせ(慶州市ターミナル観光案内所):+82-54-772-9289

利用料金:無料

text: Haruka Watanabe

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